画像でみる梅毒の初期症状(梅毒第1期の症状)


梅毒の症状は、感染後の期間と症状により、第1期から第4期に分けられます。

ここでは、梅毒感染後の初期症状(第1期)にあたる梅毒初期硬結(コウケツ)や硬性下疳(ゲカン)について、画像を見ながらどのような症状なのかを説明していきます。

梅毒初期症状を画像で確認!–感染部のしこりなど–

梅毒の第1期の症状は、感染の原因となった性交渉やオーラルセックスなどの2~4週間後に発症します。

第1期では通常、梅毒が入り込んだ感染部に①:「小豆くらいの堅いしこりができ」、やがて②:「表面がただれる」ようになります。これを

  • ①梅毒初期 硬結(コウケツ)
  • ②梅毒性 硬性下疳(ゲカン)

と言います。また、この症状が出る前後にリンパ節のはれがみられる場合もあります。


上記のような梅毒の第1期の症状が主に現れる場所は下記になります。

  • 男性なら、ペニスの亀頭冠から陰茎体にかけて(いわゆる、カリの部分から下)
  • 女性なら、ヴァギナの大陰唇や小陰唇まわり(いわゆる、ヒダの周辺)
  • 男女共通して、唇や口内

また梅毒は粘膜を介して感染するため、上記以外の場所でも小さな傷があれば症状が現れる場合があるため注意が必要です。


【男性の場合】梅毒第1期の症例写真

では過去の患者の症例画像を、男性の場合からみていきましょう。まずは①梅毒初期 硬結(コウケツ)から。

男性の梅毒初期硬結の画像


梅毒初期硬結(コウケツ)では、小豆大から指先位の硬いしこりが感染部に生じます。これらは、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

この初期硬結はしばらくすると、やがて表面がただれるようになり、硬性下疳となります。


では次に、②梅毒性 硬性下疳(ゲカン)の過去の患者の症例写真をみていきましょう。

男性の梅毒性硬性下疳の症例写真


梅毒性硬性下疳(ゲカン)では、初期硬結の部分から皮膚の表面がただれるように潰瘍を形成し、見た目では、口内炎が大きくなった形のように見えることが多くあります。そしてこれらにも、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

この初期硬結と硬性下疳の症状は、2~3週間で自然に治り、無症状となります。

注意!※もちろん、この症状が無くなったからといって梅毒が治った訳では決してありません。※


【女性の場合】梅毒第1期の症例写真

次に女性の症例画像を見みていきましょう。女性の場合も、基本的な外観や症状は男性と同じです。まずは①梅毒初期 硬結(コウケツ)から。

女性の梅毒初期硬結の症例写真


梅毒初期硬結(コウケツ)では、小豆大から指先位の硬いしこりが感染部に生じます。これらは、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

この初期硬結はしばらくすると、やがて表面がただれるようになり、硬性下疳となります。


では次に、②梅毒性 硬性下疳(ゲカン)の過去の患者の症例画像をみていきましょう。

女性の梅毒性硬性下疳の画像


梅毒性硬性下疳(ゲカン)では、初期硬結の部分から皮膚の表面がただれるように潰瘍を形成し、見た目では、口内炎が大きくなった形のように見えることが多くあります。そしてこれらにも、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。

この初期硬結と硬性下疳の症状は、2~3週間で自然に治り、無症状となります。

注意!※もちろん、この症状が無くなったからといって梅毒が治った訳では決してありません。※


【男女共通】梅毒第1期の症状が唇や口内に現れた場合の症例写真

梅毒の感染経路が粘膜接触によることから、性器だけでなく唇や口内にも梅毒第1期の症状が現れる場合もあります。

梅毒の中で性器周辺以外に初期硬結などが認められる場合は、その約半数が口腔粘膜に見られると言われ、その中でも口唇が最多とされています。

梅毒性硬性下疳が唇や口内に現れた場合の画像


梅毒性硬性下疳(ゲカン)が唇や口内にできた場合は大きな口内炎のように見えますが、これらには痛みなどの自覚症状はほとんどありません。(二次感染を起こしていない場合

そしてこれらの症状も、2~3週間で自然に治り、無症状となります。

注意!※もちろん、この症状が無くなったからといって梅毒が治った訳では決してありません。※


まとめ

ここまでで一つでも症状が自分に当てはまった、もしくは過去に身に覚えがある症状が出たことがあるといった場合、必ず何かしらの検査は行うべきです。

梅毒第1期の初期硬結や硬性下疳は痛みなどがなく、放置しておくと症状が治まることから、梅毒第2期(発疹やバラ疹の発症)まで野放しにされてようやく梅毒と判明することがほとんどです。特に女性の場合は定期的に性器を観察する機会が乏しい場合も多く、この無痛性の病変の出現に気づかないことも多くあると考えられます。

「まあ、痛くないし大丈夫だろう」と放置しておくと手遅れな状況になってようやく自分の病に気づく、ということも起こりえるのです。

どんな病でも発見と治療は早いほど、完治する確率も高くなります。何度も繰り返しますが、少しでも症状に見に覚えがあった場合は、早めに検査を行いましょう。