更新:2023/01/07
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毛じらみ症の原因
毛じらみ症はシラミの一種である「ケジラミ」により、主に陰毛のある性器周辺に激しいかゆみを感じる性感染症です。感染者は年間5000~6000人ほど。衛生環境が良くなった現代でも、未だに多くの感染者が確認されています。
細菌やウィルスなどが原因の性病と比べて、毛じらみ症はその原因となる虫体の大きさが0.8mm~1.2mmと、肉眼でも確認することが出来るため目視での診断も可能です。
毛じらみ症の原因を写真で確認
■陰毛に寄生する毛じらみ
引用:症状写真でわかる各種の病気
■毛じらみの卵
引用:症状写真でわかる各種の病気
このような小さな虫が、【人の血液を吸って成長】⇒【卵を生む】⇒【増殖】と言った流れでどんどん増えていき、症状を悪化させます。
毛じらみ症の主な症状
毛じらみ症の主な症状は下記のようなものが有ります。
- 性器周辺の激しいかゆみ ※1
- 患部に皮疹(皮膚のできもの)などは認められない
- 下着に茶色い粉が付く(吸った血液の糞便)
※1:まれに毛じらみに感染していてもかゆみを感じない症例も有ります。
毛ジラミ症の感染する場所
毛ジラミ症は主に性器周辺の陰毛に感染しますが、それ以外にも
- 肛門周囲
- 脇毛
- へそ、胸毛
- まつげ
などにも感染する症例が報告されています。特に肛門周辺は、性器周辺の毛を剃った結果、ケジラミが新しい住処を求めて移動して感染が拡大したというケースが多くあります。除毛は毛ジラミ症の治療方法として有効では有りますが、その際には周囲の陰毛が残ってしまわないように注意が必要です。
毛じらみ症の感染経路
毛じらみ症の主な感染経路は下記のようなものが有ります。
- セックスなど、性的交渉のときに陰毛から陰毛への直接感染
- タオルや布団などの寝具などを介した間接感染
性交渉などによる陰毛同士の接触が主な感染経路ですが、ケジラミは人間の身体を離れてからも2日程は生存が可能であるため、タオルや布団などを介した間接的な感染経路もあります。中には接触の多い母子間の感染例もあるようです。
ケジラミは水中だと毛にしがみつく傾向がある為、お風呂や銭湯、プールなどで感染する事はありません。ただ、脱衣所やトイレでは感染の可能性もありますので注意が必要です。
毛じらみ症の予防方法
毛じらみ症の予防は、とにかく他人と接触しないことです。
陰毛同士の接触が主な感染経路であるため、他の一般的な性感染症などの予防で有効な性交渉の際のコンドームの使用は効果がありません。
また、ケジラミは人間の身体を離れてからも2日程は生存が可能であるため、タオルや布団の共用は避けましょう。
ただケジラミは単独では1日に10cm程度しか移動することができないため、ノミやダニのような拡大の心配はありません。
毛ジラミ症の治療方法
毛ジラミ症の治療としては、患部周辺の除毛、およびシラミ駆除用のシャンプーや薬品を使用します。
シラミ駆除用のシャンプーや薬品は市販薬として薬局などで販売しています。ですので、実際には病院に行かなくても治療は可能です。(病院で診断を受けても、「この薬を薬局などで買って使って下さい」と言われるケースも有るようです。)
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- フェノトリンシャンプー(スミスリンL)
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- フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー)
これらのシラミ駆除用のシャンプーや薬品での治療は治療期間が2週間ほどかかります。ですので、一番安上がりで確実な方法が陰毛を剃ることです。ただ患部の除毛に関しては、剃り残しが少しでもあったりした場合にはそこにケジラミやその卵が生き残り、すぐに再発することがあるので注意が必要です。
もし陰毛を剃る治療法を選択するのであれば、性器周辺や肛門まわりの陰毛は全て除毛する必要があります。なかなかの手間です。
そういった時には、下記のような除毛クリームを使うと効果的で、簡単です。
ケジラミは人間の体から離れると長くは生きれません。それでも、完全に治るまでは布団や、下着などの衣服を清潔にしたほうがいいでしょう。ケジラミは熱に弱いので布団や衣服はドライクリーニングなども効果的です。
まとめ
毛じらみ症は梅毒や性器ヘルペスなどと比べて、原因が目に見えて対処しやすいため軽く見られがちですが、これも立派な性感染症です。ケジラミを完全に駆除しないまま性交渉などの肉体的接触を行うと、パートナーと相互感染を繰り返してしまう可能性もあります。
症状としても性器周辺のかゆみと単純では有りますが、放置しておくと目も当てられないような悲惨な状態になってしまう病気です。(詳しくは)