更新日:2023/01/07
梅毒の症状は、感染後の期間と症状により、第1期から第4期に分けられます。
ここでは梅毒感染から第1期、第2期を経て、梅毒の末期症状と言われる第3,4期にあたる、結節性梅毒疹(けつせつせいばいどくしん)と、梅毒性ゴム腫(ゴムしゅ)、そして梅毒患者の末路について、画像を見ながらどのような症状なのかを解説していきます。
(※注意:掲載の画像はとても刺激的なため、閲覧の際には注意して下さい。)
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梅毒第3期の代表的な症状–顔、鼻、くちびる、舌、骨、筋肉、内臓などの周囲の組織を破壊する–
梅毒の第3期の症状は梅毒第2期の症状の再発を繰り返しながら移行し、感染の原因となった性交渉やオーラルセックスなどの3年~10年後に発症します。
梅毒第3期では梅毒トレポネーマが顔、鼻、くちびる、舌、骨、筋肉、内臓など細胞組織を破壊、変質させていく下記の症状が現れます。
- 結節性梅毒疹(けつせつせいばいどくしん)
:皮膚にしこりができた後、表面が崩れて潰瘍となる - 梅毒性ゴム腫(ゴムしゅ)
:ゴム状の腫瘍ができ、皮膚から筋肉、骨へと深部組織を破壊していく
ここまでくると、症状の進行は止めることはできますが、外観の治癒は不可能となります。
梅毒第3期の症状を画像で確認!–結節性梅毒疹、梅毒性ゴム腫–
拝見された感想は、いかがだったでしょうか?
症例写真に白黒の画像がある通り、ここまで梅毒の症状が進行することは、現代の日本では殆どなくなりました。それもこれも、抗生物質の登場と医療の普及による恩恵です。まだ世界には、抗生物質による治療もままならずに、梅毒に侵される人達がいることも容易に想像できます。
梅毒第4期の代表的な症状–脳や脊髄、中枢神経が侵される–
感染後10年を過ぎると、変性梅毒となります。この時期には身体の外側だけでなく、内臓や神経、果ては脳にまで梅毒トレポネーマが及び、特に中枢神経系と心血管系が侵されます。
梅毒に脳が侵された場合
脳がおかされると、進行麻痺になります。具体的には、性格が急に変わって誇大妄想となったり、言葉がもつれたり、文字が乱れたりします。さらに進行すると、知能が低下して、認知症(痴呆症)になってしまいます。
梅毒に脊髄が侵された場合
脊髄がおかされると、脊髄癆になります。足を刃物で刺すような痛みの発作が起こり、歩行もできなくなります。
梅毒に血管が侵された場合
血管系がおかされると、梅毒性胸部大動脈炎が起き、進行すると梅毒性胸部大動脈瘤となり、内臓が破裂することもあります。また、心臓の大動脈弁も侵され、心不全となります。
つまりは、ここまで梅毒を放置しておくと、想像もできないような苦しみの後に、死に至るのです。
まとめ
ここまでで一つでも症状が自分に当てはまった、もしくは過去に身に覚えがある症状が出たことがあるといった場合、必ず何かしらの検査は行うべきです。
梅毒3期以降は3~10年以上の潜伏期間が記す通り、長い時間がかかります。この長い潜伏期間の中で繰り返される梅毒第2期の症状の間に、治療を行うことが必要なのです。
梅毒第2期の症状も、第1期と同様に痛みなどがなく、放置しておくと症状が治まることから、合併症による自覚症状が出るようになってようやく治療を行う例が多くあります。「まあ、痛くないし大丈夫だろう」と放置しておくと手遅れな状況になってようやく自分の病に気づく、ということも起こりえるのです。
梅毒の治療期間の目安は大体下記のようになります。
- 第1期梅毒:2~4週間(およそ1ヶ月)
- 第2期梅毒:4~8週間(およそ2ヶ月)
- 第3期梅毒:8~12週間(およそ3ヶ月)
発見が早ければ早いほど、治療期間も短くなるのです。
何度も繰り返しますが、少しでも症状に見に覚えがあった場合は、早めに検査を行いましょう。
グロテスクやなー。勉強になりました…..