口腔ヘルペスから性器へ感染するの?【Q&A】

ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウィルスには2種類あり、1型は主に口の周り、2型は主に性器を中心に下半身に発症する別物と言われています。しかしそれならなぜ口のヘルペスから性器へ感染するのか?その理由を画像を使いながら解説していきます。

口腔ヘルペスは性器に感染するのか?

口唇ヘルペスと性器ヘルペスとでは、原因となるウィルスの種類が違うとよく聞きます。それなら、口から性器へとヘルペスは伝染らないのですか?


数年前までは「口腔ヘルペス」と「性器ヘルペス」は別物と言われてきましたが、最近では性風俗サービスの多様化や、オーラルセックスの常態化によってその境目が薄れつつ有ります。症例として、口腔ヘルペスから性器へ感染した事例が多く出てきたのです。


ウィルスの種類は違うのに、なぜ口腔ヘルペスは性器に感染するのか?

原因となるウィルスの種類が違うのになぜ口から性器へとヘルペスは伝染るのでしょうか?


確かに、口腔ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス1型」、性器ヘルペスは「単純ヘルペスウィルス2型」と呼ばれる型の異なるウィルスが原因で症状が出ます。

それなのになぜ口腔ヘルペスが性器へ伝染るのかというと、口腔ヘルペスが発症した場合には「単純ヘルペスウイルス1型」と一緒に、「単純ヘルペスウィルス2型」のウィルスも口内に存在しているケースが非常に多いためです。

それぞれのヘルペスウィルスが存在していても、病変部を作る原因となる(水疱などができる原因となる)のは

  • 口周り :ヘルペスウィルス1型(HSV1)
  • 性器周り:ヘルペスウィルス2型(HSV2)

です。ですので、口と性器とで原因とされるウィルスが別であると説明されるのです。

ヘルペス_画像_1型と2型の違い
引用:医療法人社団智嵩会 新宿さくらクリニック


口腔ヘルペスから性器への感染率は?

そうだったのですか。。。納得できました。では口にヘルペスができていたら、セックスも、オーラルセックスも控えた方が良いのですね。もし、口にヘルペスがあった時にキスやオーラルセックスなどをしてしまった場合、性器への感染率はどれくらいなのでしょうか?


口腔ヘルペスから性器への感染率の統計化されたデータはまだありません。ただ一般的に、性器ヘルペスの感染率(性器から性器への感染)はおよそ1割というデータは有ります。

この確率を低いと見るか、高いと見るかは人それぞれだと思いますが、ヘルペスが一度感染したら完治しない病気となると、決して安易に考えてはいけません。


逆に、性器ヘルペスから口腔への感染はあるのか?

なるほど。。。口腔ヘルペスが性器に感染するなら、性器ヘルペスから口へ、ヘルペスが感染することはあるのでしょうか?


結論から言うと、性器ヘルペスから口への感染の可能性はあります。

そもそも、口腔ヘルペスから性器への感染は性風俗サービスの多様化や、オーラルセックスの常態化によることが原因と言われています。口から性器へ、性器から口への接触があるため、両方のウィルスを口と性器に保菌する確率は格段に高くなるためです。

「行為の前に消毒してるし、自分だけは大丈夫。」・・・そうやって、1人の性器ヘルペス感染者から感染範囲はどんどん拡大していくのです。


まとめ

性器ヘルペスを始め近年の性感染症患者数の増加は、性風俗サービスの多様化やオーラルセックスの常態化によるものですが、根本的な原因は個人の「性に対する正しい知識や認識の不足」です。性風俗に従事しなければならない方には難しい問題かと思いますが、オーラルセックスの際にコンドームの着用を意識するだけでも、感染率は格段に低くなります。

性器ヘルペスは一度感染してしまうとウィルスが身体の奥の神経に潜んで、抵抗力が落ちたときに再発する、とてもやっかいな病気です。水疱などの外傷は、放置しておけば皮膚の症状自体は治まってしまうケースもありますが、これでは感染力は高いまま、時間が経てばより症状が重症化することにも繋がります。

性器ヘルペスは、早期の対策が再発防止に直接関わります。自覚症状が出た場合には早めに対処しましょう。



『口腔ヘルペスから性器へ感染するの?【Q&A】』へのコメント

  1. 名前:匿名 投稿日:2017/11/03(金) 18:38:17 ID:48448661d 返信

    ヘルペス1型保菌者は 新たに2型に感染することは無いのでしょうか?

    • 名前:画像や写真でみる性病 投稿日:2017/11/19(日) 23:19:24 ID:90c31d3e0 返信

      ご質問ありがとうござます!
      まず、ヘルペス1型感染者は 新たに2型に感染することはございます。それぞれが別のウィルスだからです。
      従来は1型、2型それぞれの菌の特性によって口内や性器など、場所の住み分けがされていましたが、それも昨今のオーラルセックスの常態化で無くなってきております。